「今現在和室である6畳間を洋間にしたい」と依頼されたのが南幌町のM邸です。
そして「ボロでいいので安く」と。
実は、この“ボロ”というキーワードが後に「アンティーク・リフォーム」へと繋がる事になるとは当初気が付きませんでした。
“ボロ”とは適当な材料を使って安く仕上げるという意味ではなく、“ボロ”=古いイメージ=「アンティーク風」を意味し、その中においてできるだけ金額的にも抑えたいという願いが込められているものでした。
結果的には、“自然素材”を贅沢に使用した、充実のリラックス空間が生まれました。
天井と床には松羽目板を使用、建具は全てオーダー製作し、ペンキとオイルステインで仕上げています。
全体のイメージのほとんどがMさん夫妻によるもので、ステンドガラスや建具ドアノブ、金物類や電気器具に至るまで全て自分達で選んで購入されたものを使用しています。
珪藻土を含んだ塗壁仕様についても夫妻による共同作業にて仕上げています。
そういった意味では、手作りによる、世界でたった一つの自分達の空間です。
“リフォーム”とは最新の製品によって建物の機能性をレベルアップすることも大事な一面ではありますが、日頃からの「想い」を現実としてかたちに作りあげる事もまた大事な要素の一つであることを、“アンティーク”仕様への新たなる興味と共に、再認識させられた現場になりました。 |